大変だな

 JRの駅に行き、みどりの窓口で切符を買った。すぐ後ろに3歳くらいの男の子とバギー車にのせられた乳児を連れた女性が並んだ。男の子はちょうど「大変だな」という言葉をおぼえたてのようで、何度も何度も「大変だな」と叫んでいる。
 その女性は夫の通勤定期を代わりに買いに来たらしく、駅員さんからは
「通勤定期は代理の人には発行できないのですが、しかたないですね。ところでダンナさんはおいくつですか?」
ときかれた。
「30歳です」
とその女性が答えると、そばにいた男の子がすかざす
「大変だな」
と叫んだ。
「そう、そうね。お父さん、30歳になったのよ。本当に大変だわ」
とお母さんが話を続けた。
いいな、いいな、30歳だなんて。

タイサンボク

 大きくてやや大味なつくりの花。それがタイサンボク。つぼみから開花まで数日かかる。いつ咲くのかしらと期待をもたせてくれた。朝が楽しみだった。

今年もツバメがやってきた

 大きく口をあけて、親鳥が巣にもどるのを待つ。餌をみてから口をあけるのではなく、あけたままで、待ちうける。のどの奥まで見えるほどだ。もし鳴くだけの声帯が備わっていれば、大音響を出すのだろう。
 声帯が備わっているのが、ススメとウグイスだ。ツバメには声帯が与えられなかった代わりに、空を飛ぶスピードととほうもない距離を飛行する知能を与えられたわけだ。

アマガエル

 ふとん干しの道具につかまっているアマガエル。体長4センチほどでわりと大きい。
翌日にはもう、いなくなった。アマガエルは鳴かない。今日の日曜日、家の回りではカエルの鳴き声がよく聞こえた。ウシガエルの大きな声がひときわひびきわたる。
 水田ではオタマジャクシが泳いでいる、そんな季節になった。アユ釣りも始まった。
若鮎祭りというのが近くの川原であって、先着順で数百名にアユの塩焼きがふるまわれるのだそうだ。