ワイパーがない(平成25年1月16日)

今、乗っているのは中古車だ。

購入して乗り始めた頃のこと。

急に雨が降り出した。

フロントガラスのワイパーのスィッチを入れた。

次に後方のガラスのワイパーのスィッチを入れようと

思った。

どれだけ探しても、スィッチが見つからなかった。

車を降りて、後ろへ回ってみた。

そもそもワイパーがついていない。

こんな車があるもんだと初めて知った。

後方ガラスにはワイパーがないのだから、

スィッチが運転席のボタンに

あるはずはなかった。

冬の雨(平成25年1月14日)

東京では大雪、京都では風雨、きょうは成人式。

小止みのときに道路に傘を置いて写してみた。

傘という漢字が好きだ。同じ形を4個含む漢字は

全部好きだ。そのなかで傘が一番好き。

ボールペンで書くと、

何度でも書きたくなる。

フランス語では、日傘がパラ・ソル。

雨傘がパラ・ピュルイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消えた自転車(平成25年1月6日)

さあ、帰ろう。と思って自転車置き場を探すと

自転車が見当たらない。

周囲を見回してもどこにも見えない。

鍵をかけておかなかったから、誰かが乗って

行ってしまったんだ。

あきらめないといけない、と思った。

そのとき、思い当たることがあった。

いつも行く郵便局へ行って、帰りに置いたまま

戻ったのではなかったか。

郵便局まで見に行くと、見つかった。

新年の仕事始めの日の、ちょっとした事件だった。

日差しがのびてきた(平成25年1月5日)

いつもの通勤の道で見つけたさざんかの花が

二輪咲いている。つぼみがたくさんあるので、これからも

咲き続ける。

日差しがのびてきて、夕方5時の空にまだ明るみが

残るようになった。静かな時の止まったような時間。

本格的な寒さはこれからだ。

 

 

 

 

 

 

小雪(平成25年1月4日)

きょうから仕事始め。

朝、小雪が舞った。ひとひら、ひとひら、舞い降りてくるのが

見える。写真にとれるだろうか。地面に落ちると、すぐに消える。

積もらない。

予想よりもはっきりと写っていた。

正月、ラグビーの試合や二日がかりの駅伝がテレビで

放映されていた。はなやかなニュースのかげで、

人知れず、黙黙と働いていた人がいる。

交通機関、消防署、病院、お年寄りの施設・・・・

そのような人にとって、正月休みは今から

始まる。

 

凧揚げのなくなった正月風景(平成25年1月3日)

あじさいの花だったのが乾燥して、色あせて、

それでも茎はまっすぐに、葉はとっくに散ってしまって

いるのに、風にゆれていた。

去年の12月は29日から年末年始の休診に

入り、3日のきょうまで休んだ。毎朝ふだんと同じ時刻に

起きるようにしていた。朝寝坊をしないほうが結局は

楽だからだ。

きょうも町は静まり返っていた。どこにも揚げられた凧は

なく、すずめが電線から木々の間へ飛んで行った。

小倉山に沈む月(平成25年1月1日)

年末の30日に実父が熱を出した。念のため病院で診てもらったら、

肺炎と診断された。入院治療もできるし、自宅療養でもかまわないと

言われた。しばし考えて自宅療養を選んだ。

抗生物質が効果を出し始めたようで、熱はしだいに下がり、

父に活気が戻ってきた。大晦日の夜、紅白歌合戦と行く年来る年

を見てから床に就いていたようだった。除夜の鐘の音を聞きながら、

前日の内科診察の基本にのっとった丁寧な検査の進め方が思い出された。

元旦、西の方角を見ていると、小倉山に沈む月が見えた。

昇りくる太陽に向かって、新年おめでとうと言い、

沈んでいく月に、ご苦労さまと言いながら、

自分にも「今年もがんばろうね」と

「去年もがんばったね、ご苦労様」

と言わずにはいられなかった。