肉弾相打つ(2018年6月24日)

サッカー経験もないし

そのことを悔いもしないし

ただの見物人である

屈強の男たちの肉弾相打つ闘いには

心を揺さぶられる

昔語りをしてしまうなら

ベンハーというローマの戦車の

闘いの映画があった

戦車の器械美、男たちの身体能力、

魂をこめた闘い

そんな映画が想い出される

 

熊の冬眠 猫の昼寝(2018年6月23日)

腹いっぱいに食べた

寝ざめようの食糧もためた

穴も掘った

さあ寝るぞ

私や熊になりたい

デッキチェアに陽射しがさす

あたたかな木に横たわり

眠りをむさぼる

日は空高くに止まったかのように

猫の横顔にふりそそいでいる

私や猫になりたい

柑橘(2018年6月18日)

柑橘と書いて

かんきつと読めない人が多い

忘れられた漢字の多いこと

みかんは蜜柑

橘はたちばなと読んでもらえないだろう

読めても書いてはもらえないだろうな

雛人形の飾りに使われ

左近の桜 右近の橘

 

冬のみかんから始まり

伊予かん ネーブル

清見オレンジ

河内晩柑

夏みかんへ

一年中絶えることのない柑橘類

一個の柑橘を半個に割り

朝の食卓のはじまり

 

五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする

古今和歌集の頃と変わらず

みかんの花の香りは今も

人をひきつける

 

みっつのこと(2018年6月17日)

東京から京都へ

京都から東京へ

バスあり自動車あり電車あり

より取り見取りのこの時代

新幹線

車中の人となると

することが何もない

トラックで運ばれる荷物みたいなものだ

隣席では

弁当をひろげスマホをいじり

合間に缶ビールをちびちびと

憩の時間なのだろう

同時並行でできるのはみっつまでなんだ

さらに4つ目のことはできないのだろうな

と思っていたら

弁当をたいらげ缶ビールをのみほし

スマホを置いて

すやすやと眠り始めた

四つ目は眠ることだったのだ