さば街道よりは
高級そうなので
伊勢路を旅することにした
鯖には申し訳ないが
伊勢海老の方が上等じゃないか
乗り物酔いする身としては
山陰線の横揺れはたまったもんじゃない
伊勢路の近鉄特急は快適にひた走る
というわけで
雨の翌日
冬の日に 雪がちらつくそんな日に
伊勢詣でとあいなった
念じることはただひとつ
ただひとつだけ念じることがあったのだ
どれほどの時間がたったというのだろう
5歳の自分がその幹にだきついた大木は
どこにあるのだろう
5歳の自分はどこかに行ってしまい
そのお社の
その簡素さが目にしみた