冷たい手であった
まだ秋は始まったばかり
日差しは暖かなのに
カイロで温めなければ
かじかんでしまう
冷たい手であった
食べられない病気にかかり
体温を維持するためには
自分の体を燃やし
それでも体温は上がらず
カイロが頼りの
冷たい手であった
診療所のスタッフ皆で
手を握り
温めて
夜の闇をついて家路に送り出した
いつの日にか
成人し
温かな手になって
尋ねてくれることを
願った
冷たい手であった
まだ秋は始まったばかり
日差しは暖かなのに
カイロで温めなければ
かじかんでしまう
冷たい手であった
食べられない病気にかかり
体温を維持するためには
自分の体を燃やし
それでも体温は上がらず
カイロが頼りの
冷たい手であった
診療所のスタッフ皆で
手を握り
温めて
夜の闇をついて家路に送り出した
いつの日にか
成人し
温かな手になって
尋ねてくれることを
願った