『ナチュラル・ハウス・ブック』という題の
建築分野の本があった
その中に
『隠れた跳躍』という題の本が
扱われていた
誤訳なのだが
『沈黙の春』がよく知られた邦訳の本である
原題が言わんとするのは
鳥の鳴かない春のことだ
種々の化学物質のために
鳥がいなくなってしまった
あとには沈黙の春が残された
鳥が鳴かないことをもはや忘れ去った
われらが耳には
軍団となって疾走するバイクの騒音や
オープンカーから
流れてくる音楽が
春を告げる知らせである
いつの日か
スマホがウグイスの鳴き声を
知らせる日が来るのだろう