夜ごと夜ごと気温は零下
手水鉢の水は氷を張る
氷のうえに雪が積もり
昼の温かな陽がさすまでの
淡い時間がすぎる
雪解けの道を老婆が歩む
スカーフをかぶり顔がかくれてしまう
残りの時間を生ききることへの
執念に満ちた顔つきを
誰からも顧みられず
誰にもさとられず
一心に
夜ごと夜ごと気温は零下
手水鉢の水は氷を張る
氷のうえに雪が積もり
昼の温かな陽がさすまでの
淡い時間がすぎる
雪解けの道を老婆が歩む
スカーフをかぶり顔がかくれてしまう
残りの時間を生ききることへの
執念に満ちた顔つきを
誰からも顧みられず
誰にもさとられず
一心に