22時30分 街の灯り

6月10日と言えば、時の記念日だ。今年も記念らしいことはしなかった。夜に予定の産科手術がある。定刻20時15分に始まった。手術器具は今夜もぴかぴか輝いている。
 2990グラムの女の子が元気な産声を上げた。髪が黒々とはえている。白い脂肪を皮膚にまとっていた。健康に育った証拠である。22時15分に終わった。きっかり2時間0分である。

 医院を出た。道幅の広い四条通りに乗り入れる。
 窓を開け放つ。涼しい風が心地よい。このまま、長いドライブにでかけてしまいたくなる。いい気分である。気ままに道を選び、高速道路をどこまでも走り続ける。最高にぜいたくだろう。

 現実はそうはいかない。いつもの道を走りぬけて、自宅をめざす。22時30分を回ると、飲食店だけがこうこうと灯りをともしている。医療職は時間に関係なしでたいへんだけれども、飲食業も遅くまで営業していて、たいへんさは似たところがある。
帰り道にある2店目のマクドナルドを写した。ここもドライブ・スルーがある。