むかしのこと
カラスは白い羽をしていました。
朝日を受けて空を飛ぶ姿は
銀色に光り、それは美しいものでした。
ところが人家のゴミをあさり
食べ散らかし
勝ち誇ったように鳴くようになりました。
そこで人々は
カラスにお仕置きをしてほしいと
村の神社に夜ごと夜ごと
お願いしました。
願いが聞き入れられ
カラスの羽を黒くすることに決まりました。
夏になると
カラスの体は熱くなります。
黒い羽が日を浴びて熱くなるのです
その熱さにカラスはあわれな声を出します
ごみあさりもできません
こんなわけで
夏のあいだ
カラスへ山の奥へ
森林の間へ
姿を隠すのです