落柿舎の前のサルスベリ

 サルスベリにしては大木になった。花の色は淡いピンク。夏の花は、サルスベリといい、芙蓉(ふよう)といい、夾竹桃(きょうちくとう)といい、長持ちするのが多い。

  落柿舎といっても知らない人が多い。らくししゃと読む。近所の子供たちはらくがきしゃと読んでいる。芭蕉の弟子のひとり、向井去来の住居だそうだ。四畳半、三畳、台所だけの小さな建物である。江戸の人は、今の人よりもはるかに持ち物が少ないから、これだけの広さで十分だったのだろう。