いつの間にか
キンモクセイは出世した。
昔々のこと
元々は便所のそばに植えられる
雑木だったのだのに
今は愛でられる木になった
キンモクセイの香りが
漂う日に
青い空を見上げている人がいた
その人が逝って早二年
今年の開花は遅く
10月中旬になった
そのぶん 花のつきはよく
一面のオレンジの海のようだ
今日という日に
青い空を見上げて
キンモクセイの香りをかぎながら
亡妻を懐かしむ
キンモクセイは二度咲きすることを
誰か知っているだろうか
甦れ
妻よ
いつの間にか
キンモクセイは出世した。
昔々のこと
元々は便所のそばに植えられる
雑木だったのだのに
今は愛でられる木になった
キンモクセイの香りが
漂う日に
青い空を見上げている人がいた
その人が逝って早二年
今年の開花は遅く
10月中旬になった
そのぶん 花のつきはよく
一面のオレンジの海のようだ
今日という日に
青い空を見上げて
キンモクセイの香りをかぎながら
亡妻を懐かしむ
キンモクセイは二度咲きすることを
誰か知っているだろうか
甦れ
妻よ