すぐに役に立つこと(平成28年2月11日)

すぐに役に立つことは

すぐに役に立たなくなる

はるかな時間のかなた

はるかな空間のかなた

中学校の教室

国語の時間に聞いていたはずの箴言

居眠りしていたのか

ぼんやりしていたのか

聞いたおぼえはないのだ

あるいは

忘却しているだけか

 

今役に立たないばかりか

いつになっても役に立たないこと

そんなことならまかせてほしい

 

ある晩

書棚をうろついて

本がちっとも読めない

こういう晩には無意味なことをするに限る

それには辞書遊びが一番だ

 

これは日本製漢字ではなかろうか

調べると象形文字とある

英語では

umbrella

中学校で初めて習ったとき

奇妙なアルファベットの配列に

頭がくらくらした

イタリア語

ombrello

(ombraは日陰)

フランス語

ombrelle

元はと言うと

後期ラテン語

umbrella

そして

ラテン語

umbra(日陰)から派生

 

それにしても

イタリア語の

オンブラ

という響きはおもしろくて

日本語のおんぶを連想してしまう

オンブラとおんぶ

乳母日傘(おんばひがさ)で育ったあの女の子は

今頃どこでどうしているやら

 

はるかな時間と空間をまたいで

またまた中学校

英語の時間

語根を種明かししてくれる先生だった

しかしちっとも興味がわかなかった

語源と語根の大切さを

今なら理解できるのだが

 

各国語を横断しながら

語源や語根をちりばめる

そんな授業は中学生には苦痛だろうか

試験に関係がなかったら

くらいついてくれるかもしれない