ひな人形(平成26年3月3日)

午後に知人が来た。

その人は京都に明治前から住んでいるという人なのだが、

ひな人形の起源の話、

昨今のゆるキャラブームを嘆く話を

ひとくさり

コーヒーをのみ、ケーキを食べて、

立ち去った。

一陣の風のような客であった。

江戸期には船の守り神とされて船倉にひな人形が置かれた。

海難事故から守る、お守りとして。

その後に、女児の健康を願い、厄病から守るために、

飾られるようになったのだそうだ。

話は転じて、この20年、全国各地でゆるキャラがブームになった。

それまでは恐ろしい表情で作られていた人形がおしなべて、

にこやかな表情に変えられていった。

そう言われれば、いつか沖縄で見た、シーサー(獅子)の

顔が前はこわい顔をしていたのが笑顔に変っていた

知人は、ゆるキャラをひとくさり嘆いて見せた。

各地を旅して、こわい顔の人形を

買い集めるのが楽しみだという。

クリニックの近くに、清涼寺という寺がある。

嵐山・嵯峨地域で、ただひとつ、ここにだけ仁王像がある。

山門にはこわい顔の仁王像が左右に二体置かれている。

いつかこの仁王像もゆるキャラに置き換えられる日が

来るのだろうか?