音が消えてしまったような
深夜未明の分娩室で
しずかにしずかに
ゆっくりとゆっくりと
赤子が産道をくぐって
頭から現れる
全身が外に出ると
声をあげて泣く
泣いているのではない
呼吸しているのだが
あまりに激しい呼吸は泣声になる
そばに二人の婦人がいる
一人はうれしさのあまりおしゃべりが止まらない
もう一人はうれしくて何も言わず涙がほおをつたう
後者は決まって生み終えたばかりの産婦の母である
音が消えてしまったような
深夜未明の分娩室で
しずかにしずかに
ゆっくりとゆっくりと
赤子が産道をくぐって
頭から現れる
全身が外に出ると
声をあげて泣く
泣いているのではない
呼吸しているのだが
あまりに激しい呼吸は泣声になる
そばに二人の婦人がいる
一人はうれしさのあまりおしゃべりが止まらない
もう一人はうれしくて何も言わず涙がほおをつたう
後者は決まって生み終えたばかりの産婦の母である