背広の肩に雪降り積もる(平成25年10月18日)

その人は向こうを向いて立っていた。

背広の肩に雪が降り積もっていた。

正確には雪ではない。雪のようなものだった。

雪のようなものは何か。

それはふけだった。

背広の肩に、雪のように白いふけが

ふりつもっていたのだった。

その人物は誰だったか。

元アメリカ大統領、ケネディ氏。

それを見た人はどう思ったのだろうか。

なんと不潔な人物だろう、と思ったかもしれない。

あるいは

背広のふけをとりはらういとまもないほどの

忙しさなのだろう、と思ったかもしれない。

そう、入浴する時間すらまったくない生活。

そうだったのかもしれない。