サンタさんが来るまで起きてようね
姉弟はそう決めて
歌を歌ったり絵本を読んで
眠い目をこすりながら待っていた
9時、10時、11時、0時
心配になってきて
家の裏側の大きな川を
窓から眺めて流されている人がいないか
確かめた
きっと道に迷っているんだわ
ふたりは考えた
0時を回り二人は眠りに落ちた
眠る前に手紙を書いた
道に迷ってやっと着いたサンタクロースは
女の子と男の子の枕もとに
置いてある手紙を見つけた
サンタさんへ
私の願いを聞いてくれるのなら
お母さんとお父さんにあげたい物があって
それを私と弟はほしい
お母さんには手袋をあげたいの
手があかぎれて痛いから
お父さんには靴下をあげたいの
足のしもやけがかゆいから
こどもらの希望がかなえられたことは
言うまでもない