金沢往復

土曜日の午後、京都駅から特急列車に乗って、金沢に行った。京都から金沢への旅は初めてで、どの線路を走るのか、興味を感じていた。
京都駅を出ると、東海道線を東へ進み、大津の手前で、湖西線に乗り入れる。敦賀(つるが)まで、停車することなく、100キロメートル以上の速度で走る。通り過ぎる駅の名前が読めない。

 敦賀で停車のあとは、福井、金沢と、北陸三県の県都を次々と越えていく。終点は富山である。

  前々から不思議に思っていたなぞが解けて、すっかりうれしくなった。

 所要時間はわずか2時間10分しかかからない。おそらく高速道路と対抗するためなのだろうと思うけれども、家の中で、やれ探し物はどこだ、やれ暑いから麦茶を飲もうだとか、まごまごしているうちに2時間くらいはすぐに消化してしまう。

 琵琶湖の西側には田んぼが広がり、稲の背丈がだいぶ伸びていた。町中では見ることのないかなり大きな鳥の白い姿が、緑一色の稲の中に浮かび上がっていた。