雁は八百 矢は三本(平成26年5月13日)

ツバメの季節が来た

巣を作り、卵を産み、ひなを育てる

見事になしとげる

巣作りすることは脳にまえもって

プログラムされているのだという

それにしても巣の材料を探し、

材料を組み立てるのはプログラムされては

いないだろう

ひなのためエサを探す行動は

プログラムされてはいても

どこでどう見つけるかは1匹のツバメが

あらんかぎりの知恵をつかってなしとげるしかない

その身ひとつで持ち物なしで生きていくのは

驚異的である

雁という鳥の話しへ移る

題名はことわざを使ったもの

空には射落としたい雁が無数に飛んでいる

それなのに

自分が射ることができる矢は

たったの3本しかない。

いくら多くても3羽の雁しか

射落とすことはできない

これは比喩である

欲張るなかれ

あきらめろ

狙いをひとつに絞れ

こういう意味なんだそうである

それなのに

ちまたにはなんとたくさんの

欲望をかきたてる装置のあることだろう

東海林さだお氏の「週間朝日」連載コラムの題は

「あれも食いたい これも食いたい」

まことに欲望全開の

おもうしろうてやがて悲しきストーリーに

ふと空虚な心地になる