いかないで(平成26年9月30日)

さあ夕飯の買い物に出かけなくては

腰をあげた母に向かって

お母さん

行かないで

外は暗くて雪が舞い始めてる

ボクはひとりでさびしくなるから

きのうの残り物を食べようよ

 

私は年老いてしまったから

さあ逝かなくては

お母さん

いかないで

いかないで

ひとりで生きていける

そんな年にはなっていても

ボクには代わりになるような友達もいない

 

どこまでも続く

果てしない雪原をマフラーを

巻いた母がただひとり歩いていく

遠い所へいってしまう母の

姿がいつまでも見えるのであった