月日は百代の過客
芭蕉は奥の細道をこう書き始めた
6月もまた百代の過客の一人である
きょうもまたおのれにできることと
できないこととを見分け
できることには全力でたちむかい
できないことは静かに受け入れる
古人はかく語っている
変えることのできるものについて
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ
変えることのできないものについては
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ
そして
変えることのできるものと変えることのできないものとを
識別する知恵を与えたまえ
まことに6月は知恵の雨がふりそそぎ
老いたる者の上にも
歩く寸前の乳児の上にも
平等にふりそそぎ
われらはその豊饒に育てられるのである