風の冷たい日曜日。
保津川下りの船が運休中のこの時期、嵐山も嵯峨も
人出が少なくなる。寒村のようだ。
風が冷たく吹くのを生垣にそって歩いてよける。
散歩しながら、とあるうちの垣根の樫の木が
目に入った。
夏の暑さにも冬の雨風、雪にも耐えてきた葉なのだが、
虫に食われてぎざぎざになり、今にも力が尽きて散りそうだ。
常緑樹と言われる木々も春先になるといっせいに
葉を落とす。一年間、光を浴びて呼吸してきた
古い葉は役目を終えて、散っていく。
そして新しい葉。それは本当に美しい。
次の春まで1年間、役目を果たすのだ。