好きな木(平成26年2月15日)

浄水場の跡地に植わった1本の木。

ポプラの木だ。

さかさまに立てられた竹ぼうきのよう。

満員電車に詰め込まれ肩をすぼめる人のよう。

これがボクの好きな木なんだ。

背丈が高いので、周りには高い建物がないので

遠くからも見える。広々とした空間に

枝を横に張り出して美しいシルエットを作ればいいのに、

窮屈そうに枝が幹に添う。密集林に植えられたと

勘違いでもしているのか。

北国の木のはずなのだが、近畿のこんな所に来たのだ。

ボクの暮らす四里四方の内で

一番好きな木。ポプラの木。

雨風の強い二月の今夜、

真っ暗がりの中、枝はさびしく揺れて

さかさまほうきのように

僕の心も揺さぶられる