真夜中の喫茶店(平成25年6月30日)

夜になって昼間の暑さが去り、涼しくなった。夜が更けて

さらに気温が下がってきた。肌寒いほどだ。

明日から開店する喫茶店の店内を見に行った。

コーヒーカップやガラスのコップ、お盆、湯を注ぐ細口ポットが

整然と棚に並べられている。何とも言えない調和と秩序が

あって、明日、どんな客がこの店に現れるのだろうかと

想像をかきたてられた。しかし、

地域ネコがたいくつそうに入り口にねそべって、

客は誰も来ないかもしれない。

喫茶店の奥は父の居室になっていて、

キャビンと呼んだ方がいいくらいの狭さだ。

2か月の入院生活を終えて、明日、退院することになった。

足はなえて、歩くのもままならないけれど、家が

いいと父は言う。

カレンダーは5月のままだったので、2枚を

めくった。紙の破れる音が思っていたよりも

大きく、室内に響いた。