詩の書けない時(平成28年1月1日)

どんなに思いをめぐらそうとも

詩の書けない時がある

書けなければ詩人ではない

ただの人である

ただの人でいたくなければ

一行でもいい

いや一語でもいい

何か心にとどまる言葉を書きつけよう

ある日ある時

誰かから放たれた一語

あるいは自分に浮かび上がった一語

なぜかはわからないけれど

深く心に届いた言葉ひとつ

その言葉ひとつがあるとき結晶していく

詩人はひたすら待たねばならない

言葉ひとつさえも残らない無数の日々がある

それでも

ひたすら待たなければならない