道(平成26年11月23日)

人が歩くのは

まっすぐの道

一直線だと安心していた

よそ見しながら歩いていても

側溝に落ちたり

ガードレールにぶつかる心配はなかった

寄り道だってしたいほうだい

しだいに狭くなっていき

車一台が通れるほどの狭さから

人一人がやっと通れる狭さへ

さらに狭まり

両側の石壁のあいだを体を横にして歩くと

なんと

次は綱渡りが待っていた

人生とはかくのごとし

 

のんきなのんきな中学生のころ

数学の時間に

直線とは幅のないもの

点と点を結ぶのだが

太さはありはしない

だから架空のもの

こんな話を聞いて

また心地よい

午睡におちいった

 

まっすぐとはこわいもの

直線とはおそろしいもの

三角でも四角でも

円でもなんでもいい

平らな地面の広がりならどこでもいい

安息の地はないものか