沖縄の夜は寒かろ(平成26年12月17日)

風が道路のほこりを舞い上げて

ポリ袋が飛ばされていく

こんな強風の日には

沖縄も寒かろ

海から冷たい風が島を軽々と

渡っていく

こんな夜には沖縄も寒かろ

なんと本日の最高気温は15度

当地の住民にしてみれば

思わず背をすぼめるほどの冷えようだ

まして日暮れがくると

沖縄の夜は寒かろ

 

地域ネコ行進(平成26年12月12日)

いちに いちに

地域ネコが早朝から行進する

きょうは会議があるらしい

家ネコがこたつで寝ている頃

寒風ふきすさぶ中

いちに いちに

地域ネコは行進し会議を開く

あのな

今度からな

12月はな

師走というのはやめてな

ネコぱっしり

いうことにしような

そう猫走

関西弁を話すねこの会議で

こう決められたのだった

その頃

電池を買いに

コンビニへひた走る男がいた

猫走12日の朝のことであった

きょうはバッテリーの日なのであった

 

あてもなく(平成26年12月11日)

なんの役にも立たないけれど

砂浜をひとり歩いてみたい

どこへも行きつかないけれど

あてもなく

砂浜をひとり歩き続けてみたい

思い出の一シーンや忘れれられない言葉の

断片が浮かんでは消え浮かんでは消えていくだろう

浜辺に打ち寄せる波に合わせて

虹(平成26年12月10日)

3歳 虹を指さして

にじと言えた

5歳 虹を見ては

駆け出した つかめると思っていた

18歳 虹を

忘れてしまった

20歳 きみがきれいな虹を見たと言った

22歳 虹を見るたび

きみを思い出すのだった

風のままに(平成26年12月5日)

自らの力で飛んでいるのか

それとも

風に流されているだけなのか

鳥の飛行は神秘である

この季節

つばめは集合地点に集まり

南へ飛び立つ日を待つ

ようやく一人前になった新米つばめも

初飛行をするのだ

方角、日程、目的地はすでに決まっており

考える余地は何もない

神は私の意志を必要としない

つばめにこそ当てはまる

人もそうでありたいのだが

神は私の意志を必要としない

運命がすべてを決めているのだから

最後の一日(平成26年12月4日)

もしきょうが最後の一日だとしたら

ぼくは何をするだろう

いつものように

朝、仕事が始まる

きょうがその最後の日だとしたら

ぼくはどんな働きをするだろう

落ち葉をはいたり

枯葉をみので片付けたりする

秋の最後の日だとしたら

ぼくはどんな気持ちでそうするのだろう

もしきみと話す最後の日だとしたら

ぼくは何を聴くだろう