我が庵はゴミ屋敷(平成27年7月14日)

名もない大学の万年准教授

読書家にして資料収集に熱心なのだが

とんと論文らしきものを書いたことがない

このまま定年を迎えるのだろうと

学内外の誰もがそう思っていた

 

気ままな一人暮らしに

明け暮れし

部屋は散らかり放題

買い求めた物の包装紙などが

たまる一方

ゴミだしをしたことがなかった

その日もコンビニ弁当を食べながら

テレビをつけると

ゴミ屋敷の特集番組がかかっていた

あまりの乱雑さに食欲を失いかけたのだが

なんと自分の家とそっくり

そうだこれぞゴミ屋敷なのだ

 

この始末を誰がするのか

思案にふけりつつ

飼い猫を抱いて布団にくるまった