ピーマン2個に
玉ねぎ半個
オリーブオイルでいためて
塩をふる
できあがるのは
ねっとりとそして甘い味わいの
二人分の野菜料理
ありふれた朝の
ありふれた朝食の一品だ
きょうが平凡な一日であることを
予感しながら
ありふれた朝食の時間がすぎていく
きょうという日が
特別な一日にならないことを
言葉にならないような言葉で
願っている
ピーマン2個に
玉ねぎ半個
オリーブオイルでいためて
塩をふる
できあがるのは
ねっとりとそして甘い味わいの
二人分の野菜料理
ありふれた朝の
ありふれた朝食の一品だ
きょうが平凡な一日であることを
予感しながら
ありふれた朝食の時間がすぎていく
きょうという日が
特別な一日にならないことを
言葉にならないような言葉で
願っている
さば街道よりは
高級そうなので
伊勢路を旅することにした
鯖には申し訳ないが
伊勢海老の方が上等じゃないか
乗り物酔いする身としては
山陰線の横揺れはたまったもんじゃない
伊勢路の近鉄特急は快適にひた走る
というわけで
雨の翌日
冬の日に 雪がちらつくそんな日に
伊勢詣でとあいなった
念じることはただひとつ
ただひとつだけ念じることがあったのだ
どれほどの時間がたったというのだろう
5歳の自分がその幹にだきついた大木は
どこにあるのだろう
5歳の自分はどこかに行ってしまい
そのお社の
その簡素さが目にしみた
クルマに乗ろうと
運転免許をとった
しかし
クルマを持てずに
紙運転者になっていた
時はすぎて
いつのまにか
クルマを運転するようになっていた
いつの間にか
自分の車を持ち
日が昇り日が沈み
花が咲き花が枯れるように
玄関を出ると
足はひとりでに
クルマに向かうのだった
クルマに乗ることは
生きること
しかし
人が生きるとは
自分の足で歩くこと
両手で荷物を運ぶこと
クルマを飛ばすようには
生きられないんだよ
これほど有名な映画を見たのは
最近のこと
そうは言っても父が生前のこと
「初めて見るなあ」と言うと
父はこう言った
「おまえは勉強に忙しかったから
見るひまがなかったんやな」
憐れむかのような口調で
実際いつも追われるかのように
勉強していた
頭のいい人なら短い時間ですむものを
グレゴリー・ぺっくはいい俳優だな
ほんとうに
王妃に惚れていたにちがいない
演技ならああはできないな