どこまでも広がる青空
一瞬にして日がかげり
空が黒ずむ
風がわきおこり
雷が鳴り響く
雨が窓をたたく
土を濡らし木を濡らし
花びらを打つ
半時間もたたないうちに
元の青空に戻る
それは見とれるほどの
天気の変化だった
天気と遊んだ思いがした
どこまでも広がる青空
一瞬にして日がかげり
空が黒ずむ
風がわきおこり
雷が鳴り響く
雨が窓をたたく
土を濡らし木を濡らし
花びらを打つ
半時間もたたないうちに
元の青空に戻る
それは見とれるほどの
天気の変化だった
天気と遊んだ思いがした
海がほど近いマンションの一室を
一夜借りして眠りについたころ
台風らしく雨風がふきつのり
開けていた窓から稲光と風雨が襲いかかる
室内には大型犬の足音が音高くひびく
隣室が飼っているハスキー犬が
あまりの天候のこわさに
逃げ込んできたのだった
夜が明けるまで
ハスキー犬と風雨の鎮まるのを
待っていた
あれは君の郷里で
君の別荘マンションを借りた9月の日だった
忘れがたい思い出だよ
こんな話を聞かせたけど
おぼえていてくれたかい?
踏切の手前の
中高生がかよう学習塾
窓の大半は半透明なのだが
一つだけ
自習室なのだろうか
透明の窓がある
そばを歩くたび
ついつい覗き込むのだが
自習室に人がいるのを見たことがない
本棚にはいわゆる赤本
大学ごとの試験問題集が並べられている
あまりの変わりのなさに
なつかしく郷愁をそそられる
問題集から
大学の建物や講義や学生生活を想像することは
受験生にはできやしないだろう
まして
問題集を解きながら
ある日受験会場へ行き
また別の日
その学校へ通うのを
想像することはむずかしい
遠い世界へ旅立つことを
問題集がうながしているとは
知らないでいる
そんな受験生がいじらしい
初めてその作品に接したのは
高校に通っていた頃
『二十億光年の孤独』という第一詩集だった
なぜ二十億光年なのだろうか?
十億光年でもなく三十億光年でもなく
こんなつまらない疑問がわいてくる
二十億光年と言うしかない必然性のような
ものをくみとれないのだった
そして今また
『朝』という』という作品では
100年前には僕はいなかった
100年後には僕はいない
なぜ100年前なのか
なぜ100年後なのか
100年前には自身の先祖が確実にいたからこそ
今の自分がいるわけだし
100年後に自分がいなくとも
確実にとは言えないまでも
自分を受け継いだ者が生きているだろうし
なんだか妙に孤独を作り出しているように
思える
19という数字のせいだろうか
19日は毎月落ち着かない日だ
悪い出来事がきまっておきる日だ
それなのに
今日の19日はとてもいいことがあった
長らくクリニックのHPがスマホではうまく見られなく
なっていたのが解消されたのだ
小さな画面いっぱいに小さなHPが
表示される
丸4年かもっと長かったか
4月19日
忘れないでおこう
終業のベルが鳴る
いちもくさんに教室をかけでる
浜で遊ぶか裏山に登るか
雨なら本を読み漁る
何が悲しくて
部活に縛られようか
金木犀
あるいはキンモクセイ
昔は便所のそばに植えられていたものだ
便所が建物の端に作られて
そのそばにあったのだ
そんな作りの便所がなくなり
金木犀の役目もなくなった
流行歌に歌われ
一躍キンモクセイは大出世
香りの愛される木になりとげた
くすぐったいだろう
居心地が悪かろうに
成り上がり者の樹木
ワガシだって?
和菓子じゃないよ
和樫だよ
垣根に植える木なんだ
格の低い木だ
松が殿様なら
和樫は駕籠かきか
秋にはどんぐりが豊饒に実る
春には古くなった葉が落ちる
誰の視界にも入らず
近寄るのはどんぐりを拾うこどもくらいだ
なぜか知らないけれど
ワガシの落とす葉をほうきで掃いていると
春の到来をしみじみ思う
古くなった衣服を脱ぎ去るかのようだ
新しい衣服を身にまとうように
新しい葉が生えてくる
つややかで光を反射し輝いている
ワガシの葉が落ちるとき
ほうきではきながら
しみじみ思うのだ
能力のある人はけっこう多いものだ
けれど
努力する人はけっこう少ない
さらに
努力を続ける人はめずらしい
能力もなく
努力をしなければどうなるかだって
けっこう
しあわせに生きてるんだよ