ただのガラスの
三角柱にすぎないのだが
いったん光を浴びれば
七色が立ち現れる
長さ1000メートルのプリズムが
もしあるのなら
長さ1000メートルの虹が見えるだろう
こんな夢想をする
風変わりな男がここにいる
家の窓という窓のガラスを
プリズムで作った
虹の家ができあがり
バンダナ長髪の男を見ると
近所の子供らは
七色ハウスのあんぽんたん
とからかうのだった
ただのガラスの
三角柱にすぎないのだが
いったん光を浴びれば
七色が立ち現れる
長さ1000メートルのプリズムが
もしあるのなら
長さ1000メートルの虹が見えるだろう
こんな夢想をする
風変わりな男がここにいる
家の窓という窓のガラスを
プリズムで作った
虹の家ができあがり
バンダナ長髪の男を見ると
近所の子供らは
七色ハウスのあんぽんたん
とからかうのだった
あなたと私だけの
小さな空間ゆえのくつろぎは
捨てがたいけれど
人にはもっと大きな空間がいる
視界の届くかぎり
地上は200キロ遠方が見え
天空は果てしない高さを望む
人はいかにも微小な存在だが
大空間があればこその
生命体
あなたと私
孤独ではないことを確かめるために
この寄る辺なき大空間がときにはほしいのだ
雨ふり雪ふりみぞれふる
冬至の朝
霜柱の立つ道踏みしめて
一人歩きのさびしき
父母に見送られた
この道のなつかしき
冬至の朝
始まれば終わる道理は
知りたれども
見送る人のなきぞさびしき
とある町のうら若き女
自他ともに認める守銭奴だった
着ているパジャマは
10年以上の年代物
袖口襟元擦り切れていようが
どうぜ寝間着よ
誰に会うでなし
カレーライスを食べるとき
混ぜたりせずに
ルーから食べていくので
皿は汚れず水も汚さず
まことに合理的
働くとなると
懸命に働く
人に対しては愛情深く接するので
誰からも気に入られた
この人物に言わせると
人は金
タイム イズ マネーではないのだ
ピープル イズ マネー
私は金が好き
私は人が好き
だから誰に対しても
心をこめて接するのだった
ここまでくれば
見上げたものだよ
守銭奴のお嬢さん
不思議な現象である
知らぬ間に眠りについて
気がつくと目覚めている
意志もいらず準備もいらず
眠りがやってくる
やってきた眠りは
朝には去っていく
日に照らされて
消えていく朝露のように
暗闇のなか
目覚めていることのつらさ
そのつらさから逃れられるように
眠りが与えられているのだ
手招きすれば逃げていく
知らぬふうをしていると
寄ってくる
眠りは黒ネコに似ている
人は二度生まれる
一度目は愛される存在として
二度目は自らが愛する存在として
愛される存在として生きることは
安楽でありかつ苦渋に満ちている
それならば
愛する存在として生きることは
いかに
風が道路のほこりを舞い上げて
ポリ袋が飛ばされていく
こんな強風の日には
沖縄も寒かろ
海から冷たい風が島を軽々と
渡っていく
こんな夜には沖縄も寒かろ
なんと本日の最高気温は15度
当地の住民にしてみれば
思わず背をすぼめるほどの冷えようだ
まして日暮れがくると
沖縄の夜は寒かろ
時は過ぎて
今夜
地域ネコが討ち入りする
夜半に集結し
勇ましく行進する
鉢巻をし
のぼりを立て
旗をふって
どこへ
それは計り知れない
おそらくは
食べ物を蓄えている冷蔵庫へ
いちに いちに
地域ネコが早朝から行進する
きょうは会議があるらしい
家ネコがこたつで寝ている頃
寒風ふきすさぶ中
いちに いちに
地域ネコは行進し会議を開く
あのな
今度からな
12月はな
師走というのはやめてな
ネコぱっしり
いうことにしような
そう猫走
関西弁を話すねこの会議で
こう決められたのだった
その頃
電池を買いに
コンビニへひた走る男がいた
猫走12日の朝のことであった
きょうはバッテリーの日なのであった
なんの役にも立たないけれど
砂浜をひとり歩いてみたい
どこへも行きつかないけれど
あてもなく
砂浜をひとり歩き続けてみたい
思い出の一シーンや忘れれられない言葉の
断片が浮かんでは消え浮かんでは消えていくだろう
浜辺に打ち寄せる波に合わせて