柑橘(2018年6月18日)

柑橘と書いて

かんきつと読めない人が多い

忘れられた漢字の多いこと

みかんは蜜柑

橘はたちばなと読んでもらえないだろう

読めても書いてはもらえないだろうな

雛人形の飾りに使われ

左近の桜 右近の橘

 

冬のみかんから始まり

伊予かん ネーブル

清見オレンジ

河内晩柑

夏みかんへ

一年中絶えることのない柑橘類

一個の柑橘を半個に割り

朝の食卓のはじまり

 

五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする

古今和歌集の頃と変わらず

みかんの花の香りは今も

人をひきつける

 

みっつのこと(2018年6月17日)

東京から京都へ

京都から東京へ

バスあり自動車あり電車あり

より取り見取りのこの時代

新幹線

車中の人となると

することが何もない

トラックで運ばれる荷物みたいなものだ

隣席では

弁当をひろげスマホをいじり

合間に缶ビールをちびちびと

憩の時間なのだろう

同時並行でできるのはみっつまでなんだ

さらに4つ目のことはできないのだろうな

と思っていたら

弁当をたいらげ缶ビールをのみほし

スマホを置いて

すやすやと眠り始めた

四つ目は眠ることだったのだ

あん人たちゃよか衆(2018年6月17日)

五木の子守唄 はこんなふうに始まる

おどま勧進勧進

あん人たちゃよか衆

よか衆ゃよか帯 よか着物

子守の屈辱の気持ちがにじみ出る

 

それがなんだというのだろう

着物がよいからといって

それを着ている人物がよいわけではない

それでも一度は着てみたい

よか着物

 

もう一度駒場一年生になったら(2018年6月17日)

1本のろうそく

1箱のマッチ

浜辺におりたち火をともす

風に吹かれて炎は消える

ふたたびマッチで点火する

やがてろうそくがなくなり

マッチもなくなる

そんな短い時間が大学4年間

司法試験やら公務員試験、

外交官試験やら会計士試験

見向きもしないで

文読む日日

クラブだバイトだ飲み会だ

知ったこっちゃない

学問だけを堪能するのだ

 

止まった時計(2018年6月17日)

まだ目覚めている

もう眠りに着く

まだ目覚めている

眠りに落ちるあわいの時間に

想い出すことがあった

高校を卒業してまもなく亡くなった

ふたりの学友のことだった

中学一年生のある日に見た横顔を

想い出した

自動車事故に遭ったのだ

また

高校3年生のとき会話したある日のまなざし

海で岩から転落し溺死したのだ

先に逝った二人の友

方言(2018年6月4日)

方言を聞くとほっとする

テレビでときどき各地の方言を

聞くとなぜかほっとする

岡山、広島、徳島、福岡、宮崎

鹿児島、熊本、神戸、大阪、京都

方言には味わいを感じる

NHKの京都のニュースでは

幼稚園児らが「おった、おった、おるで」と言っていた

「いる」が関西弁では「おる」になる

あの子らが学校にあがると

いつしか標準語教育にならされて

関西言葉を忘れていくのだろう