予定日まであと1か月。
ある娘が里帰りをしている。
風呂に入っても足を洗えない。
湯上りに父が足を洗面器で洗ってやる。
おなかがおおきくなったので
自分の足の爪を切ることができない。
父が爪を切ってやっている。
予定日まであと1か月。
ある娘が里帰りをしている。
風呂に入っても足を洗えない。
湯上りに父が足を洗面器で洗ってやる。
おなかがおおきくなったので
自分の足の爪を切ることができない。
父が爪を切ってやっている。
寝床に入ると足元にひんやりとした空気が
流れ込み、眠りにつけない夜が
続いていた。
風がどこからはいってくるだろう。
エアコンのスイッチは切っている。
わかった。
足が冷えを感じているのだ。
靴下をはこう。
思い出した。
亡妻は眠るとき、靴下をはいていた。
私が詩を発表している同人誌があって
本部は徳島県阿南市にある。
逆光というのが同人誌の名前だ。
今度は別の団体に入れてもらえることになった。
徳島現代詩協会という団体である。
こちらにはとくに名前はないようだ。
本州と四国を結ぶルートは3つ。
その中で徳島は淡路島を経由する道路である。
もし鉄道が敷かれていたら、
JR山陽本線の枝分かれとして
徳島へつながっていたら、
どれほど便利だったことだろう。
関東にいる娘に
してほしいことがあった
してくれないまま、ずいぶん時間がたった
そこで
まーだだかい
とラインで送ったら
すぐに返事が来た
もういいよ
だいたい、毎月、月末になると
税理士さんと打ち合わせをしている。
お互い、マスクをつけての話し合い。
それにしても
耳が痛い、と言う。
ヒモの長さがちょっとでも短いと
痛くでたまらんです、と言うのだ。
ヒモを長くする作り変えなんて
簡単にできそうに思うのだが、
実際にはどうするのだろう。
それより、相当個人差が
あるはずだから
ヒモの長さでマスクが何種類があっても
よさそうなのに。
北海道にしては暑い夏の日
神戸から来た両親と北海道開拓記念館に行った
園内を一通り見て歩き
ベンチで一休みしていると
園内を回遊する馬車が通りかかった。
ろばが引いていた。
「ろばがかわいそうやな」
父が言った
ろばが馬車を引くのはあたりまえに
見える光景だった。
動物愛護などには何の関心もない父だった
晩御飯のメニューに困ったら
カレーを作るように
詩が書けなくなったら
花を歌えばいい
最近になって訃報を知ったという
亡妻の友人から
フラワーアレンジメントが届いた
カサブランカを中心に
白い花々でまとめられていた
毎日水やりをしていると
つぼみだったカサブランカが
ひとつ、またひとつと花を開いていき
薄緑色のさやが開くと白色に変わっていく
その変化を見ていて2週間が過ぎた
最後のつぼみが開いて、もうじき
茶色になっていきそうだ
その変化は人の命のうつろいのようにも
見える
13歳のときに知り合ったという友人は
今ごろ思い出をかみしめていることだろう
北国の冬の校庭で
雪合戦に遊び興じた
少女の日々の思い出を
ここに一組の男女がいる
わけがあって一緒にはなれない
そこで
二人は天国に行ったら
一緒になろうと
約束をした
しかし天国がどこにあるのか
わからない
そう語り合う二人の目から
涙が流れ
頬をつたい
テーブルに落ちた
限りない真実が
涙の中に輝いていた
いつまでも忘れない思い出がある。
中学1年生1月の中間テスト。
自分なりの準備でのぞんだら、さんざんの成績だった。
弁当の時間に食べていると、数学の先生から呼び出しが
かかった。
説教された。
「これからだんだん難しくなる。今ならまだ間に合う。勉強しなさい」
こんな話を聞いて、席に戻ると、
涙が出てきて、残りの弁当を食べられなくなった。
その日、いつものように帰宅して
いつもとちがって、勉強を始めた
コロナの致死率はどのくらい?
毎日の新聞には感染者数と死亡数がのっている。
それを見ると、致死率は5パーセント。
ところで、感染者数というのは、コロナ感染と
検査で診断された人の数のことだ。
ということは感染しても症状がなかった人とか
風邪かなと思っているうちに治った人を含めると
感染者はもうすごいたくさんの数になる。
無症状や軽症の人を含めた感染者数と死亡数からは
致死率は0.05パーセントくらいらしい。