賢すぎる目をしていたら
何をするのもむだに見えてくる
人のなすこと
世の動き
何から何まで
むだばかり
けれど
少し頭がノータリンなら
何もかもが美しく見える
自然の移ろい
世の動き
人のなすことすべてが
いきいきと
自分もその渦中で
踊りたい
その渦中に
融けていきたい
賢すぎる目をしていたら
何をするのもむだに見えてくる
人のなすこと
世の動き
何から何まで
むだばかり
けれど
少し頭がノータリンなら
何もかもが美しく見える
自然の移ろい
世の動き
人のなすことすべてが
いきいきと
自分もその渦中で
踊りたい
その渦中に
融けていきたい
一人の男がいた
すばらしい演奏だったな
途中で眠気がさしたけど
最後まで聞き飽きなかった
満足して男はホールを
後にした
もう一人の男がいた
ちっとも
眠れなかった
一晩中
こんな夜もあるもんさ
男はつらい朝を迎えて
ホールを後にした
一人目の男は府民ホールに
二人目の男は不眠ホールに
ときおり
足を運ぶのだった
月日は流れ去り
早くも時は5月
草いきれに夏の香りがただよう
3日 お経のごとくに憲法を読み
4日 庭に落とされたネコのフンの始末
5日 我らが手を離れたこどもは今いずこ
かくて連休は終わりぬ
観光地の真ん中に暮らしていると
行楽客から道を訊かれることしばしば
今年からは教えないことにした
知っていても知りませんですませてしまう
なんて意地悪なんだろう
しかしこれにはわけがある
考えているのだ
道を歩くときはただ歩いているのではない
思考の時間なのだ
思考をさまたげる不意の質問には
知らないと答えて
思考を続ける
道くらい調べぬいてから来いよな
やたらと人にきくもんじゃないぞ
地元民は忙しいのだぞ
しかし行楽客はただききたいのではなく
未知の土地で誰かと
触れあいたいのだ
ともに生きてここにいるあなたとわたし
そうだね
人のぬくもりがほしいのだろうな
人の往来の多いときに
こんな表現がある
街道を行き交う人々の
姿がよみがえってくるような
いにしえ言葉だ
京都の観光地は
どこも人の往来が
かまびすしい
錦小路もまた同じ
食べ歩きにスマホ歩きが
加わり
さらに幼児も老人も
左右の店に目を光らせる
なんぞうまいものはないかいな
「お客様の手に渡ったとたん、新車でなくなります」
販売員の言葉が耳に残った
そうだ
今、クルマ販売店を出たばかりだが
もう中古車だという
そうするといつ新車に乗ったことになるのだろう
運転席の男の脳裏をかすめる
新築マンションやら新築戸建て
住み着いたとたん
中古マンションやら中古物件になるのだ
新調した背広だって
袖を通したとたん
古着になりはてる
一人遊びをするなら
ボーリングをしてみたい
なぜかはわからないけれど
他の人がいれば
気を遣ったり競争心がわいたり
頭が忙しくなってしまい
試技に集中できなくなりそうだ
雑談を交わす楽しみもない代わり
ただ黙々と
ただ淡々と
あの重たい球を転がす
楽しい一人遊びができそうだ
あとは時間を捻出することだ
何回かしているうちに
腕前だって上達しそうだ
投げられたとおりに
正直に転がる球
その正直さはいいものだ
どこまでも広がる青空
一瞬にして日がかげり
空が黒ずむ
風がわきおこり
雷が鳴り響く
雨が窓をたたく
土を濡らし木を濡らし
花びらを打つ
半時間もたたないうちに
元の青空に戻る
それは見とれるほどの
天気の変化だった
天気と遊んだ思いがした
海がほど近いマンションの一室を
一夜借りして眠りについたころ
台風らしく雨風がふきつのり
開けていた窓から稲光と風雨が襲いかかる
室内には大型犬の足音が音高くひびく
隣室が飼っているハスキー犬が
あまりの天候のこわさに
逃げ込んできたのだった
夜が明けるまで
ハスキー犬と風雨の鎮まるのを
待っていた
あれは君の郷里で
君の別荘マンションを借りた9月の日だった
忘れがたい思い出だよ
こんな話を聞かせたけど
おぼえていてくれたかい?
踏切の手前の
中高生がかよう学習塾
窓の大半は半透明なのだが
一つだけ
自習室なのだろうか
透明の窓がある
そばを歩くたび
ついつい覗き込むのだが
自習室に人がいるのを見たことがない
本棚にはいわゆる赤本
大学ごとの試験問題集が並べられている
あまりの変わりのなさに
なつかしく郷愁をそそられる
問題集から
大学の建物や講義や学生生活を想像することは
受験生にはできやしないだろう
まして
問題集を解きながら
ある日受験会場へ行き
また別の日
その学校へ通うのを
想像することはむずかしい
遠い世界へ旅立つことを
問題集がうながしているとは
知らないでいる
そんな受験生がいじらしい